改定される個人情報の保護に関する法律に関する変更点。個人情報保護委員会、匿名加工情報、第三者提供など

平成２８年１月１日施工された、個人情報の保護に関する法律（以下個人情報保護法）に関する変更点について

今回個人情報の保護に関する法律は、マイナンバー制度などが稼働することに伴い様々な改定が行われました。

個人情報保護委員会

こちらは新設された組織であり、今まで主務大臣が権限有していた事項に関して委譲されています。

個人情報保護委員会とは

個人情報保護委員会は、個人情報（マイナンバー（個人番号）を含む。）の有用性に配慮しつつ、その適正な取扱いを確保するために設置された独立性の高い機関です。

尚組織のメンバーは

個人情報保護委員会委員長 堀部 政男さん
個人情報保護委員会委員　阿部 孝夫さん
個人情報保護委員会委員　嶋田 実名子さん
個人情報保護委員会委員　手塚 悟さん
個人情報保護委員会委員　加藤 久和さん

となっています。堀部さんは個人情報保護法に携わられた方なので、その他情報処理、消費者への対応に対する知識人と非常に心強く感じます。しかしながら中には行政の業務に関する知識人、税制、社会保障に関する知識人と明らかにマイナンバー制度に関する知識人であり個人情報の保護に関する専門家でないことが非常に気になります。

第三者的視点で物事を決定を行ってゆくという観点では賛同できるのですが、個人情報保護法に関する法律において監督、評価業務を行うことに関しては個人的に非常に疑問が残る人選です。

そして委員会の人数があまりにも少なすぎることが、非常に気がかりです。

今回の個人情報保護法の大きな注目点である、個人情報保護委員会の活動に関して関心高く見つめてゆきたいものです。

個人情報の記載が具体化された

今回個人情報に関して今まであいまいな記述が、より具体化されたことは非常に良いことだと思います。
そして要配慮個人情報という用語が新しく追加されました。これは今までの機微な個人情報とおおよそ同じような意味です。

あらたに追加された匿名加工情報

匿名加工情報というものが今回個人情報保護法で追加されました。

匿名加工情報とは

次の各号に掲げる個人情報の区分に応じて当該各号に定める措置を講じて特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報であって、当該個人情報を復元することができないようにしたものをいう

特定の個人を特定できないものにしている情報で、これは明らかにビジネスにおける情報の有効利用を目的としたものです。
賛否両論ありますが、個人情報の基本は
個人のプライバシー保護と、事業の有効利用の両天秤が釣り合うことが原則で非常に評価されていい項目に思われます。

しかし匿名加工情報を提供したり、利用する場合の項目が新たに追加されています。第三十六条～三十九条までが匿名加工情報に関する条文です。
注意が必要です。

個人情報保護委員会が監督権限など有することで、けん制力を持つものになっています。

細かい点を話すときりがないので、今回はここまでとします。

以前の個人情報保護法に比べると、非常に利用しやすく、10年間運用されていたことによりより具体的なものとなりました。

しかしながら、EUとアメリカとの個人情報の取り決めの
・セーフハーバーの改定
・忘れられる権利”Right to be forgotten”
の問題など今後も、何らかの法律の改定が実施される可能性があるので注視することをお勧めします。