楽天モバイルがKDDIから提供を受けてきた「auネットワークのローミング」が、2026年10月から大きく縮小されます。
楽天モバイルはこれまで、自社基地局だけでは十分にカバーできない地域などでKDDIのau回線を利用することで、全国的な通信エリアを補ってきました。
しかし、KDDIと楽天モバイルの間で2019年から続いてきた現在のローミング契約は2026年9月30日で一区切りを迎えます。
一方で、「10月からauローミングが完全になくなる」というわけではありません。
楽天モバイルが自社回線でカバーするまでに時間がかかる一部の地域では、10月以降もKDDIによるローミングが継続されます。ただし、都市部を中心にローミングエリアは大幅に縮小される見通しです。
この記事では、楽天モバイルのauローミング縮小について、なぜ縮小されるのか、10月以降に何が変わるのか、楽天モバイル利用者への影響について分かりやすく解説します。
楽天モバイルのauローミングが2026年10月から縮小
今回の大きなポイントは、2026年9月30日までのローミングと、10月以降のローミングで仕組みが変わることです。
KDDIは楽天モバイルに対して、2019年10月1日からauネットワークのローミングを提供してきました。
KDDIによると、このローミングは楽天モバイルのLTE通信サービス立ち上げ時における暫定的な措置として提供されてきたものです。
現在のローミング提供期間は2019年10月1日から2026年9月30日までとされています。
つまり、約7年間にわたって楽天モバイルの通信エリアを補完してきたauローミングが、大きな転換点を迎えることになります。
ただし、契約期間が9月30日で終了するからといって、10月1日からau回線がすべて使えなくなるわけではありません。
ここは楽天モバイル利用者が特に注意したいポイントです。
10月以降も一部地域ではauローミングが継続
楽天モバイルは2026年8月12日の発表で、KDDIとのローミングについて協議を続けていると説明しました。
そのうえで、楽天モバイルがカバーするまでに時間を要する地域では、10月以降もローミングを継続するとしています。
一方、楽天モバイルが十分にカバーできている地域では、ローミングを縮小していく方針です。
つまり今後は、
「楽天モバイルの自社回線が整備されている地域=auローミングを縮小」
「楽天モバイルの自社回線整備に時間がかかる地域=auローミングを一定期間継続」
という形に移行していくことになります。
KDDIも、楽天モバイルが自社で基地局を整備することを前提として、一部地域でインフラ維持に協力する形を示しています。
なぜauローミングを縮小するのか?
最大の理由は、楽天モバイル自身の通信エリアが拡大してきたことです。
楽天モバイルが携帯電話事業に参入した当初は、自社基地局が十分ではありませんでした。
そのため、全国に通信エリアを広げるためには、KDDIのau回線を利用するローミングが重要な役割を果たしていました。
しかし楽天モバイルはその後、自社基地局の整備を進め、徐々に自前の通信エリアを拡大しています。
楽天モバイル自身も、自社回線で十分にカバーできる地域についてはローミングを縮小する方針を明らかにしています。
KDDI側から見ても、楽天モバイルの成長に伴ってローミングを永続的に提供する必要性は低下してきました。
KDDIの松田浩路社長は2026年8月の決算説明会で、一部の地方エリアについては期間を区切ってインフラ維持に協力する考えを示していました。
都市部ではローミングエリアが大幅縮小
2026年9月30日、KDDIは10月以降の楽天モバイル向けローミングエリアを確認できるマップを公開しました。
このマップでは、「2026年9月末時点」と「2026年10月以降」のエリアを比較できます。
実際に比較すると、首都圏や大阪・京都などの都市部ではローミングエリアが大きく縮小する地域が確認されています。
ITmediaによると、地域によってはローミングエリアの着色面積がほぼ半分になるケースもあります。福岡市周辺などでも縮小が確認されています。
また、KDDIのローミングエリアはこれまでから段階的に縮小されており、東京23区、名古屋市、大阪市などではすでにローミングが終了しているエリアがあります。
そのため、今回の変更によって全国一斉に楽天モバイルの通信が使えなくなるという話ではありません。
むしろ、自社回線が整備されている都市部を中心に、auローミングへの依存度をさらに下げていく動きと考えられます。
楽天モバイル利用者の通信はどうなる?
気になるのが、実際に楽天モバイルを利用している人への影響です。
auローミングが縮小すると、これまでau回線によって補われていた場所では、今後は楽天モバイルの自社回線が通信を担うことになります。
そのため、地域や建物によっては、通信状況に変化が出る可能性があります。
特に注意したいのが、
・建物の中
・地下
・山間部
・郊外
・楽天モバイルの自社基地局が少ない場所
などです。
auのローミングでは基本的に800MHz帯が利用されてきました。800MHz帯は比較的遠くまで電波が届きやすく、建物などにも回り込みやすい特徴があります。
そのため、楽天モバイルの自社回線に切り替わった地域では、場所によっては「以前よりつながりにくくなった」と感じる利用者が出る可能性があります。
一方で、楽天モバイルの自社基地局が十分整備されている地域では、大きな変化がないケースも考えられます。
つまり、影響は全国一律ではなく、利用場所によって異なると考える必要があります。
「楽天モバイルが10月から圏外になる」は正確ではない
今回のニュースで誤解しやすいのが、
「楽天モバイルのauローミングが終了する」
という表現です。
正確には、2026年9月30日で現在のローミング契約が一区切りとなり、10月以降は新たな枠組みで対象エリアを大幅に縮小しながら、一部地域ではローミングを継続するという形です。
したがって、
「10月1日から楽天モバイルでau回線が一切使えなくなる」
という意味ではありません。
楽天モバイル自身も、カバーに時間がかかる地域については10月以降もローミングを継続すると説明しています。
楽天モバイルにとっては「自前の基地局」が重要に
今回のauローミング縮小によって、楽天モバイルにとって自社ネットワークの重要性はさらに高まります。
これまでKDDIのネットワークを利用することで補っていた地域についても、最終的には楽天モバイル自身の基地局整備によってカバーしていく必要があります。
特に人口の少ない地域や山間部などは、基地局を設置しても利用者数が少なく、都市部と比較して設備投資の効率が難しい地域です。
そのため、楽天モバイルにとっては、都市部だけでなく地方の通信品質をどのように維持・改善していくかが重要な課題になります。
一方で、ローミングを縮小することは、楽天モバイルが自社ネットワークを中心とした携帯電話会社へ移行していくうえで避けて通れない段階ともいえます。
楽天モバイルの基地局整備は今後さらに重要に
楽天モバイルはこれまで基地局整備を進めてきましたが、既存の大手通信会社と比較すると、ネットワーク規模には依然として差があります。
時事通信の報道では、2025年3月末時点の5G基地局数について、楽天モバイルが約3万5000局だったのに対し、KDDIは約11万局、ソフトバンクは約10万4000局とされています。
さらに、楽天モバイルでは2025年に1500億円の設備投資を計画していたものの、工事会社の人手不足などから実際の投資額は630億円にとどまったと報じられています。
auローミングが縮小されることで、今後は楽天モバイル自身による基地局整備がこれまで以上に重要になります。
楽天モバイルの料金は変わる?
今回のauローミング縮小だけを理由に、楽天モバイルの料金プランが直ちに変更されると決まったわけではありません。
そのため、
「auローミングが縮小する=楽天モバイルが値上げする」
と直接結び付けることはできません。
ただし、自社基地局を増やすには設備投資が必要です。
今後、楽天モバイルが通信品質を維持しながら契約者数を増やしていくためには、基地局整備、ネットワーク運用、通信容量への投資などを継続していく必要があります。
料金と通信品質のバランスが今後の大きなポイントになるでしょう。
10月以降は自分の利用エリアを確認することが重要
楽天モバイルを現在利用している人は、「全国でどうなるのか」を心配するよりも、自分が普段利用する場所を確認することが重要です。
例えば、
自宅
職場
学校
最寄り駅
よく利用する商業施設
旅行先
実家
などです。
KDDIは楽天モバイル向けのローミング提供エリアを公開しており、2026年10月以降のエリアについても確認できるようになっています。
ただし、エリアマップ上で通信可能となっていても、実際の電波状況は建物、地形、混雑状況などによって変わります。
KDDIも、エリア内であっても利用環境などによって通信速度が低下したり、通信できない場合があると注意しています。
今後は「楽天モバイル単独でどこまでつながるか」が焦点
今回のauローミング縮小は、楽天モバイルにとって大きな転換点です。
2019年からKDDIのネットワークを利用して通信エリアを補完してきましたが、2026年10月以降は楽天モバイル自身のネットワークを中心としたサービスへさらに移行していくことになります。
都市部を中心にauローミングは大幅に縮小する一方、自社回線の整備に時間がかかる地方などでは、一定期間ローミングが継続されます。
したがって、今回の変更は「au回線が完全終了する」という単純な話ではありません。
むしろ、
「楽天モバイルがKDDIのネットワークに頼る段階から、自社ネットワークを中心に運営する段階へ進む」
という点が重要です。
今後注目されるのは、楽天モバイルがローミング縮小後も通信品質を維持できるのか、そして地方や屋内などで自社ネットワークの整備をどこまで進められるのかという点です。
楽天モバイル利用者にとっては、2026年10月以降、自宅や職場、よく利用する場所の通信状況がどう変化するのかを確認しておくことが重要になるでしょう。
なお、KDDIはローミングエリアを今後も順次更新するとしているため、今後さらに対象地域が縮小する可能性があります。最新情報についてはKDDIおよび楽天モバイルの公式情報を確認することをおすすめします。

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